身内の死後はどうすべき?葬儀後に必要な手続きを詳しく解説!


身近な人の死後は途端に慌ただしくなりますよね。悲しんでばかりいられないのは、葬儀後の手続き関連です。いつまでもぼんやりとしていてはいけないものもあります。
「葬儀の経験がないからわからないことばかり」「手続きって何から手をつければいい?」「葬儀後は忙しいから後回しにしたい」誰しも経験が少ないからこそ、不安や疑問を持ちますよね。うなずけることです。
葬儀を行うだけでも大変なのに、無事終えた後にも手続きに追われるのは疲れることでしょう。しかし、早めに終える必要があるものを知っておくようにしてください。今回は、葬儀後の手続きや優先すべきことについてご紹介します。

  1. 葬儀後の手続きとは?
  2. 特に優先すべき葬儀後の手続き
  3. 葬儀後の手続き(相続関連)
  4. 葬儀後の手続き(補助金や給付金など)
  5. 葬儀後の手続きでの注意点
  6. 葬儀後の手続きでよくある質問
  7. まとめ

ご両親の死後について不安に思っている方や、自分の死後に子どもたちに迷惑がかからないよう準備したい方は、この記事を参考に手続きについて理解しておきましょう。死後や葬儀後は悲しみに暮れる間もなく忙しくなります。予備知識を持つことで、いざというときへの備えとなるはずです。

1.葬儀後の手続きとは?

葬儀後はゆっくりしたいと思う方もいるでしょう。しかし、死亡に伴う届けや役所への手続きは忘れてはいけません。葬儀が初めてでどうすべきかわからないという方も多いため、葬儀後の手続きとはどのようなものかをご紹介します。

1-1.葬儀後手続きの定義

身内の死後にやるべき手続きは、親族が故人に代わって行わなければなりません。生前に加入していたすべてのものを解約し、届けを出すなど骨の折れる作業ではあるものの、後回しにできないものもあります。葬儀後は、優先順位を理解して段取りよく終えていきましょう。

1-2.葬儀後に手続きをする目的とは?

故人が関係していた各方面への届けが必要なのは、故人が亡くなったことを伝える目的も持っています。役所に届け出たとしても、連携していない部署もあるからです。ゆえに、そのままでは無駄な出費が出てくる可能性もあり、返還請求など二重の手間がかかります。

1-3.なぜ葬儀後の手続きは必要?

 死後すぐから死亡届などの手続きは必要ですよね。葬儀後も同じで、年金や健康保険などお金にかかわる手続きを行わなければなりません。給付金や補助金を受け取れるものもあり、速やかに届けを出すようにしましょう。光熱費や携帯電話などもそのままだと料金を取られてしまいます。ですから、必要のなくなったものは解約が必要なのです。

1-4.葬儀後の手続きにはどんな種類がある?

葬儀後に行うべき手続きには、相続に関連するものもあります。種類別に見ていきましょう。

1-4-1.自治体関連での手続き

自治体関連では、死亡届のほかには国民健康保険・市県民税・国民年金などです。届けを出すことで、補助金が受け取れる場合があります。届けを忘れてしまい、葬儀費用や一部死亡金の請求期限を迎えてしまう可能性があるため、葬儀後はすぐに手続きが必要です。今後母子家庭になるなら、児童扶養手当の申請を行います。
40歳以上の人だと介護保険に加入しているため、自治体に介護保険資格喪失届を提出してください。介護認定がある場合も別途届けが必要です。

1-4-2.保険関連での手続き

故人が勤務していた会社で厚生年金に加入していたなら、組合などに連絡し、被保険者喪失届を提出してください。会社経由で届けができる場合もあります。
加入していた生命保険がある場合、保険会社に支払い請求をしてください。請求する際は、保険証券と死亡診断書や保険金受取人の証明書類を提出する必要があります。保険会社に確認して準備しましょう。

1-4-3.相続関連での手続き

相続にまつわることは、忘れずにやっておく方がいいでしょう。土地建物の登記変更には期限はなく、不動産登記のある法務局で行います。遺産分割協議をしてから変更を行うのが理想です。
預貯金や有価証券も同様で、相続対象となります。相続税の申告は、10か月以内です。期限経過後は、加算・延滞税なども発生しますから注意してください。自家用車も相続対象とみなされ、陸運局事務所に移転登記申請書を出します。いずれも、遺産分割協議書が必要です。

1-4-4.そのほかの手続き

公共料金や携帯電話の契約解除を行ってください。解約せずに放置し、基本料金をずっと引き落としされてしまいます。意外と忘れてしまいがちな部分ですから、必ず連絡して解約しましょう。
運転免許証・パスポートの返納も必要です。万が一紛失した場合、悪用される危険性があります。クレジットカードを故人が所有していたなら、カード会社に連絡して脱会手続きを行ってください。

2.特に優先すべき葬儀後の手続き

式の処理に何かと追われ、混乱される方が多いのが葬儀後の手続きです。効率よく終えていくためには、優先順位を知っておくといいでしょう。

2-1.自治体への届け出期限の短いもの

自治体は期限を区切っているものがあり、早期に申請を行わなければなりません。また、中には重要なものもありますから、忘れずに手続きをしてください。

2-1-1.国民健康保険

国民健康保険の資格喪失届ができる期限は、14日以内です。75歳以上だと後期高齢者医療資格喪失届を出します。世帯主の死亡により喪失届を出し、家族が引き続き国民健康保険に加入するなら、新たな届けが必要です。保険証は返却しますから、申請の際に加入者全員の保険証を持参してください。
国民健康保険の資格喪失届提出にあたって必要な書類は、死亡したことが記載されている戸籍謄本・印鑑(世帯主のもの)・身分証明書となっています。後期高齢者医療資格喪失届提出時は、限度額適用・標準負担額減額認定証の有無も確認してください。高額療養費に該当する場合、相続人の印鑑や通帳も用意します。

2-1-2.税金

死後に確定申告が必要なのをご存じでしたか? 確定申告は、1月1日を起点に、12月31日までの所得で算出します。そして、2月16日〜3月15日までに申告をお住まいの税務署へ申告が必要です。しかし、死後は死亡日までに得た収入で申告し、4か月以内となっています。自営業に限らず、会社員の場合も源泉徴収票を元に税金の還付を受けることができるのです。
還付金の申告は自由ではあるものの、未収金として相続対象とみなされます。申告は法定相続人が責任を持って行わなければなりません。法定相続人が複数いる場合、連名で行ってください。故人の確定申告を、準確定申告を呼びます。

2-1-3.年金

すでに故人が年金の受給資格者であった場合、年金受給停止届が必要です。年金は自動的に支払われるようになっていますから、死後に受け取っていた分は返還義務があります。二重の手間となりますから、早めに停止届を出しましょう。期限は、厚生年金なら10日以内、国民年金なら14日以内です。
必要となる書類は、年金証書・死亡したことがわかる戸籍抄本・死亡診断書の写しなどで、年金事務所に提出します。
未受給年金分がある場合、故人と同一生計だった人が受け取る資格者です。配偶者・子・両親という順位で、未受給分の給付ができます。年金受給停止届の際に必要な書類に加え、請求者の身分証明書・通帳・同一生計を示す様式などを用意してください。

2-1-4.不動産登記変更

土地や建物など不動産登記変更は、遺産分割協議を終えてから行います。遺産相続には、被相続人が死亡した翌日から計算し、期限が定められているので注意してください。

  • 相続放棄(3か月以内)
  • 相続税申告(10か月以内)

 法定相続人1名で相続が決まった場合、死亡までを記した被相続人の戸籍謄本・法定相続人の戸籍謄本と住民票・不動産の固定資産税評価証明書を用意してください。遺産分割協議書を元に法定相続人が複数いる場合、前述のものに加え、遺産分割協議書と印鑑証明書が必要です。

2-2.生命保険の死亡保険金請求

故人が生前に生命保険に加入していた場合、保険証券を確認して保険会社へ保険金請求を行ってください。期限は2年以内とされています。生命保険の保険金請求には、保険会社規定の請求書・保険証券・故人および受取人の戸籍謄本・死亡診断書・受取人の印鑑証明書などが必要です。
保険金請求は死後すぐに行うわけにはいきません。保険金は相続財産とみなされ、遺産分割協議を終えた後にできます。遺産分割協議が確定してから手続きをしましょう。

2-3.銀行の預貯金

相続対象となる預貯金は、死亡日を起点として金融機関によって口座凍結処置がなされます。口座凍結は、入出金はもちろん、光熱費などの引き落としもできなくなるのです。葬儀費用の工面などでどうしても口座から出金する必要性が出てくる場合、遺産分割協議後の方がスムーズでしょう。相続人の1人が故人の死後に出金している場合、通帳に必ず記録が残ります。葬儀費用を遺産分割協議前に引き出すなら、金融機関が指定する書類を整え、代表者が限度額150万円まで出金可能です。
遺産分割協議が終わってから出金する場合、故人の戸籍謄本と遺産分割協議書に加え、相続人全員分の印鑑証明書を添付し、金融機関に提出してください。

2-4.そのほかに必要な手続き

急ぐべき手続きについてご紹介しました。下記は、該当する場合に手続きをしておきましょう。期限は、死亡日が起点となります。ご注意ください。

  • 介護保険(40歳以上の方が対象となります。14日以内に手続きが必要です。自治体に介護保険資格喪失届を申請してください)
  • 住民票(抹消手続きが必要です。14日以内に終えてください。自治体により、死亡届提出と同時に抹消される場合もあります)
  • 世帯主変更(故人が世帯主だった場合、世帯主変更届を自治体へ行います。14日以内です)
  • 公共料金(携帯電話・光熱費・インターネットプロバイダーの解約も必要です。契約先に連絡し、死亡した事実がわかる除籍謄本などが求められる場合があります)

3. 葬儀後の手続き(相続関連)

被相続人の遺産相続は、何かと親族間でもめる要素ですよね。円滑に遺産分割協議を終え、手続きをしていきましょう。

3-1.各種名義変更について

遺言書があるなら、家庭裁判所に申し立てをして検認を受けてください。遺言書の内容を優先し、遺産分割協議を行います。不動産・自動車・預貯金などの名義変更は、遺産分割協議書を添えて変更手続きができるのです。

3-1-1.自動車の名義変更

自動車の名義変更については、死亡日から15日以内に陸運支局へ申し出てください。変更に際し、相続人の委任状や自動車税納付書なども必要です。事前に陸運支局へ問い合わせて確認しましょう。

3-1-2.有価証券の名義変更

名義変更が必要になるものには、有価証券も含まれています。変更手続きは証券会社で行い、規定の名義変更請求書・故人の除籍謄本・戸籍謄本(相続人全員分)・遺産分割協議書などが必要です。

3-2.相続税の支払いについて

不動産登記変更は、不動産のある住所地の法務局に申請します。変更する場合は税金の納付が義務となっており、固定資産税評価証明書の評価額から計算し、1000分の4を支払うことになっているのです。
相続税については基礎控除という計算式があります。純資産で考え、3000万×600万×法定相続人の人数で計算してください。相続税は、死亡日から10か月以内が期限です。期限を守れない場合、延滞税などが加算されますから注意しましょう。

3-3.相続で必要なそのほかの手続き

相続は資産価値のあるものばかりとは限りません。負の遺産も相続対象ですから、故人が借金をしていた場合は相続人が引き継ぐことになります。負の遺産は背負いたくないなどの理由や遺産は継承しないという意思があるなら、遺産放棄手続きをしてください。
遺産放棄手続きは、死亡から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てをします。

4.葬儀後の手続き(補助金や給付金など)

葬儀後の手続きは忙しく、何かと手間がかかる反面、急ぐものもあって戸惑いますよね。面倒だからと後回しにし、受けられるべき給付金などを逃さないようにしてください。

4-1.国民健康保険からの補助金

故人が国民健康保険に加入していた場合、葬儀費用の一部を支払ってもらえる制度があります。一部死亡金請求という制度で、自治体の支給請求書で申請してください。自治体ごとに支給額は3〜5万円と違います。

4-2.社会保険からの補助金

故人が会社員だった場合、加入していた社会保険からも一時死亡金が受け取れます。組合や社会保険事務所に申請するか、勤務先へ問い合わせてください。埋葬費用として支給されることが多く、5万円前後となるでしょう。

4-3.国民年金からの給付金

故人が国民年金加入者だった場合、いくつかの給付金があります。

4-3-1.遺族基礎年金の支給

故人の配偶者と子に対して支給されるのが、遺族基礎年金です。自治体の窓口へ請求します。該当する要件として、18歳以下の子を持つ妻と18歳に満たない子です。子が障害を負っている場合は、20歳で判断します。下記は受取人に対する受取額です。

  • 妻(子がいる場合) 77万2800円+子に対する加算
  • 子 77万2800円+第2子以降に対する加算

4-3-2.寡婦(かふ)年金制度

寡婦(かふ)年金とは、婚姻期間が10年以上である夫婦の妻に支給される制度です。夫が国民年金に25年以上加入していることが条件で、該当する場合は、60〜65歳まで受け取ることができる年金制度になっています。

4-3-3.年金からの死亡一時金

年金からの死亡一時金は、3年以上国民年金に加入していたけれど年金支給がされず、遺族基礎年金の支払いが受けられなかった場合に該当します。

4-4.厚生年金からの給付金

国民年金の遺族基礎年金と同じ制度が、厚生年金にもあります。申請は、在職中か退職後かで変わるので注意してください。会社に所属した場合は勤務地の、退職後はお住まいの地域の社会保険事務所です。

  1. 55歳以上の夫
  2. 55歳以上の父母
  3. 55歳以上の祖父母

上記の順位で支払われますから、該当要件の参考にしてください。

4-5.身分証明書や通信関連の返却・解約はどうする?

故人の身分証明書は、期限が来るまでそのままで大丈夫だと思っていませんか? まれに、紛失による悪用が起こっているので注意してください。できる限り、返却手続きをしておきましょう。

4-5-1.パスポートの返却先

パスポートの返却は、お住まいの地域にある旅券センターへ持ち込んでください。返却時は、死亡診断書の写しなどがあるとスムーズでしょう。ただし、有効期限を迎えたものは返却の必要はありません。

4-5-2.運転免許証の返却先

運転免許証の返却先は、お住まいの地域の警察署で構いません。パスポート返却と同様に、死亡診断書の写しを持参しましょう。失効している免許証については、返却する必要はないです。

4-5-3.携帯電話など通信関連の解約

携帯電話・固定電話・インターネットは、解約しないと基本料金が発生してしまいます。電話やインターネットで解約できる場合もあり、契約先によって解約方法は異なるので確認しましょう。死亡したことが記載されている除籍謄本が必要な場合もあります。

4-6.そのほかにやっておきたいこと

故人がクレジットカードを所有していた場合、未払いになっている分は相続人の負担になります。未払い金を確認し、解約手続きを行ってください。年会費が発生するものは早めにやっておきましょう。

5.葬儀後の手続きでの注意点

複雑な手続きばかりで、葬儀後もほっとできないのが現実ですよね。届け出先も異なり、うっかり請求しそびれたという方もいます。葬儀後の手続きにかんする注意点をご紹介です。

5-1.どんなことに注意すべきか?

届け出期限の早いものは、あらかじめリストアップしておきましょう。葬儀前に終えることができるものは、先にやっておくと葬儀後が楽になります。
死亡届・年金受給停止申請・各種健康保険の届け出・世帯主変更手続き・介護保険資格喪失届は、葬儀前でも可能です。すべてを葬儀後にやろうと思わず、やれることは葬儀前に終えることでゆとりを持って行動することができます。

5-2.葬儀後の手続きにおけるポイント

葬儀前にやれることを終え、葬儀後は参列者や関係者への挨拶や遺産分割協議に時間を使いましょう。特に、参列者への挨拶はマナーですから、葬儀後に喪主がお礼状を送るようにします。手続きが煩雑で困るという方は、行政書士など専門家を利用するのもコツです。

5-3.生前にやっておくべきこととは?

身内の死は悲しい事実ではあるものの、死期が近いことが想定されているなら、葬儀の予約を終え、手続き関連の準備をしておきましょう。生命保険・健康保険・年金などの請求に加え、不動産や預貯金といった遺産分割も発生します。死を迎えてから準備すると慌ててしまうため、事前にやるべきことをまとめておくと安心です。

6.葬儀後の手続きでよくある質問

突然自分が喪主になったら、身内が亡くなってしまったら、手続きには戸惑いや不安が伴います。何より、経験がない方が圧倒的に多いのが葬儀後の手続きです。よくある質問で問題を解決していきましょう。

6-1.死亡届は誰がいつ行う?

死亡届の提出は、死後7日以内に行ってください。親族・後見人・同居人・家主などで構いません。提出先は、本籍地か住所地の自治体です。死亡診断書の発行を受けてから提出しましょう。

6-2.効率よく手続きを終えたい

まず、手続きするものを確認し、行き先別にまとめてみてください。市区町村役場へ足を運ぶなら、二度手間にならないようにすることです。1回で複数の窓口を回ることができ、効率よく終えることができます。

6-3.遺産分割協議をしたいが、預貯金や有価証券の場所がわからない

独居の人が多くなり、離れて暮らしていた親族が死後に困るケースはあります。遺品の中から金銭価値のあるものが見つからないという事例も多いのです。遺品整理業者に依頼してみるのもいいでしょう。遺品整理士というプロが財産価値あるものや思い出のあるものを見つけてくれます。遺産分割協議に備えて準備するのに最適です。

6-4.参列者への挨拶はどうすべきか?

参列者への挨拶は、喪主が行います。生前の故人がお世話になったことへの感謝の気持ちと、今後も遺族への変わらない支援を伝えることです。関係者へのお礼状も送るとよりいいでしょう。

6-5.生命保険の死亡保険金は手続き後にいつ入金される?

所定の申請を終え、生命保険会社で手続きが済んだら、5営業日前後で死亡保険金が入金されます。ただし、生命保険会社や死亡状況によって異なりますから、申請時に確認しておくといいでしょう。

7.まとめ

いかがでしたか? 葬儀後はゆっくりしていられず、何かと手続きに振り回されることばかりです。葬儀前に終えられることは先にやっておき、葬儀後は遺産分割協議やお礼などに時間を費やすといいでしょう。給付金や補助金制度は上手に活用し、申請漏(も)れがないよう、事前にチェックリストを作成しておくと便利です。身内の死後は慌ててしまい、手続きがうまく進まないこともありますから、行政書士などのプロを活用する方もいます。あらかじめ知識を身につけ、いざというときに落ち着いて行動できるようにしておいてください。