ガスボンベの処分方法を5分で掌握! 未使用ボンベの捨て方も徹底解説


「ガスボンベの捨て方は正直よくわからない」「空き缶と一緒に捨てれば問題ないのでは?」という軽率な考えからごみ収集車が爆発してしまいかねません。冬のなべ料理・キャンプ地での調理にあると便利なガスボンベですが、処分方法はきちんと定められています。「ガスを抜けばいいんだよ」と即座に思い付いた方は、なおさら記事を最後まで読んでください。今回はガスボンベの処分方法を、知識ゼロからでも理解できるよう4つの項目でまとめてみました。およそ5分で読み終えることができます。ぜひお付き合いください。

  1. ガスボンベとは?
  2. ガスボンベの処分について
  3. ガスボンベを処分するとき未使用なら?
  4. ガスボンベの処分による事故
  5. ガスボンベの処分にかかわるよくある質問
  6. まとめ

現在ガスボンベの処分に悩んでいる方は、本記事を読み終わるころに何をすべきかわかり、行動することができます。順を追って見ていきましょう。

1.ガスボンベとは?

ガスボンベの処分方法を知る前に、基本を押さえておきます。捨て方については次項から詳しく解説しますので、まずはざっと目を通してみてください。

1-1.ガスボンベとは?

広義の解釈では、気体・液体を運搬するために使用される密閉型の容器です。家庭ではプロパンガス(LPガス)を充填(じゅうてん)したねずみ色のガスボンベをはじめ、冬のなべ料理で活躍するカセットコンロに使うカセットガスボンベが有名だと思います。もうお気づきだと思いますが、ガスボンベには片手で持てるサイズから、腰を入れて担がざるを得ない、または担げない代物までさまざまな種類があるのです。簡単にご紹介すると、

  • エアボンベ(空気を充填したタイプで、噴霧器を取り付け、塗料の散布等に使われる)
  • 継ぎ目なし容器(高圧に耐えられる設計で、カプセルあるいは砲弾型のタイプ)
  • カセットボンベ(小型のガスボンベで、燃料用の液化ブタンを入れている)
  • 強化プラスチック製ボンベ(軽量のタイプで、液化石油ガスを入れている)
  • クリーンボンベ(半導体製造などに使われ、内部が研磨加工されている)
  • 溶接容器(液化ガスを貯蔵するボンベで、カプセル型が基本)

といった種類があります。本記事では最も使用頻度の高いカセットガスボンベに注目です。
さて、カセットガスボンベにも種類があります。

  • ノーマル
  • ハイパワー(寒冷地でよく使われます)

構造自体は相違ありませんが、商品名はメーカーごとに違うものの、カテゴリーとしては上記の2種類に大別できます。カセットガスボンベの主成分であるLPガスにも種類があり、下記の3種類に分かれますので覚えておいてください。

  • ブタン
  • イソブタン
  • プロパン(寒さに強い)

前述したノーマルタイプのカセットガスボンベにはブタンが充填され、ハイパワータイプにはイソブタンとプロパンとが混合して入っているのです。前提として、カセットガスボンベは上記の3種類を混合し、温度や用途に合わせて作られていると覚えておいてください。それでは、カセットガスボンベの用途に移ります。今現在、その用途はなべ料理の下に限りません。下記を参考にしてみてください。

  • ランタン
  • 草刈り機
  • ガスヒーター
  • 耕運機(畑を耕す機器)
  • 発電機(電気を生成する機器)
  • バーナー(燃焼した炎が噴き出します。おすし屋さんでネタの表面を炙(あぶ)ったり、プリンをクリームブリュレにしたり、キャンプ地で水を沸かしたりと用途は幅広いです)

1-2.ガスボンベの寿命

カセットガスボンベの寿命は7年ほどとされています。とはいえ、中のガスが劣化するからではありません。ガスボンベに使用されているゴムがダメになるからです。充填されているLPガスは数十年たっても変質せず、支障なく使うことができます。
つまり、ガスボンベの寿命、または使用期限はボンベの状態によるということです。鉄製品のためにサビも発生します。使用前にはガスボンベに異常がないか確かめてからにしましょう。
なお、1998年(平成10年)に日本工業規格「JIS」が改訂され、どんなカセットガスボンベであっても、ほかのメーカー製品と互換性がたもたれるようになりました。したがって、1998年以前のカセットガスボンベは使用時に気を付ける必要があります。改定前のものですから、ボンベ自体に問題がなくとも、ガス器具と接触が悪い可能性もあるのです。

2.ガスボンベの処分について

上記で大まかなガスボンベの基本情報を学びました。それでは、処分方法についての解説です。捨て方に着目しつつ、一般的な自治体での廃棄方法もご紹介します。

2-1.処分の前に確認すること

当然のことですが、カセットガスボンベは正しく処分する必要があります。ごみ収集車の中でガスが漏れて引火することもあれば、焼却炉の中で爆発することもあるからです。清掃局の人がけがする危険もありますし、丈夫な焼却炉でも損傷する可能性があります。
使用済みのカセットガスボンベは振ってみて、サラサラと水の動くような音がしないか確認してください。音がした、容器の中で液体が動いた、という場合は内容物が残っています。中のガスを出し切ってから処分しましょう。手順は簡単です。

  1. 火の気のない屋外に行く(風通しの良いところが好ましいです)
  2. カセットガスボンベのキャップを外す
  3. 先端を下にしてコンクリートなどの硬い地面に押し付ける
  4. 噴出がなくなったら、もう一度ボンベを揺すって音を確認する
  5. 問題なければガス抜き完了

といった段取りでカセットガスボンベの中身を空にしてください。念を押しておきますが、周りに火の気がないことは必ず確かめましょう。静電気や、石がぶつかるような少しの火花でも、引火する危険性は十分にあります。ガスを出し切ったあとにタバコで一服するのもご法度です。あたりに充満したガスに引火する可能性があります。

2-2.処分方法

インターネットの情報を見ると、ガスを抜くときはクギと金づちで穴をあけるよう指示している方もいます。しかし、危険ですので絶対にやめましょう。穴はあけません。ガスボンベの製造会社ではホームページなどで注意しており、自治体によっても「穴をあけずに収集所に出してください」と呼びかけているところがあります。前述した方法でガス抜きをして、まだ残留が気になる場合はカセットコンロなどで使い切ってしまいましょう。

自治体によって捨て方は異なりますが、ガスボンベは主に燃えないごみとして処分可能です。およそ週に2回、スプレー缶という括(くく)りでの回収になります。ただし、火災の原因となるため、ほかの燃えないごみと混合せず、カセットガスボンベやスプレー缶だけでまとめて収集所に出してください。
また、中身を使い切ることが困難な場合、「中身あり」とはり紙をすれば良しとする自治体もあります。お住まいの地域で配布されるごみ収集カレンダーなどをご覧ください。

3.ガスボンベを処分するとき未使用なら?

掃除をしていたら「古いガスボンベが出てきた」という方もいると思います。未使用でガスは満タンです。果たして、処分方法は変わるのでしょうか?

3-1.未使用だとガス抜きは危険!

未使用のカセットガスボンベは、自治体で回収してくれない場合があります。自治体では「穴をあけないように」と注意するところと、「人命にかかわるので必ずガス抜きしてください」と指示するケースとに分かれるのです。まずは役所などに問い合わせ、回収してくれないようでしたら資源回収業者に依頼しましょう。ご自身でガス抜きをしても構いません。ですが、危険が伴うことは念頭に置いておいてください。引火の危険はもちろん、勢いよく噴出するガスは気化する過程で0度近くまで冷えることもあります。しもやけや凍傷にならないようガス抜きは少しずつにするしかありません。時間もかかりますし、人によってはご近所さんの目も気になるでしょう。

3-2.古い場合・新しい場合

未使用のカセットガスボンベが新しい場合、リサイクルショップに出すこともできます。購入時の値段とまではいきませんが、買取してくれますので確認してみてください。
一方、古いカセットガスボンベですと、ボンベ自体にサビがあったり、1998年以前の商品でしたら他メーカーのコンロと互換性もなかったりするため、処分しか手はありません。下記の処分業者を参考にしてください。

3-3.回収できるところ

3-3-1.自治体

お住まいの自治体によって扱いが異なるので、まず確認するしかありません。前述しましたが、「中身あり」とはり紙をすると回収してくれる地域もあれば、受け付けてくれない自治体もあるのです。回収可能な場合は普段の燃えないごみと同じ要領で、カセットガスボンベだけを袋に入れて収集所に出すことができます。基本的に費用はかかりません。

3-3-2.メーカー・販売店

中には回収してくれる良心的な販売店もあるでしょう。ですが、購入したお店に相談しても的確なアドバイスをもらえるとは限りません。メーカーのホームページを見ても、大々的に回収を謳(うた)っているところはないのが実情となります。しかし、各都道府県のLPガス協会でも「未使用品はメーカーに相談してください」と掲示しているため、取りあえずは確認しましょう。メーカーが不明な場合は、一般社団法人「日本ガス石油機器工業会」に捨て方を聞いてみてください。上記の方法は杉並区の自治体でも推奨しています。

3-3-3.資源回収業者

一般的に未使用のカセットガスボンベは資源の扱いとなるので、資源回収業者で回収してもらえます。ですが、依頼するところは古紙や金属を専門とする業者ではありません。
(参考までに、東京都資源回収事業協同組合のホームページです)
そのため、依頼するのは不用品回収業者となります。1件3,000円(ガスボンベ1本ではなく、1回の依頼です)や、1本300円~などで出張回収をしてもらえ、ほかに不要品がある場合はまとめて処分を頼むことも可能です。費用はかかりますが、あちらこちらに電話確認する手間はありません。ぱっと終わらせたい方にはおすすめできる捨て方となります。

3-4.注意点

回収業者に頼む場合は、ホームページなどで業者の情報をきちんと確認するようにしましょう。「お金を払って資源回収に出したのに、近くの公園に捨てられていた」ということも実際に起きています。理由は、業者の中に悪徳業者が潜んでいるからです。

  • 住所不定
  • 連絡先が携帯電話の番号
  • 作業トラックに社のロゴがない
  • 見積書や領収書を書いてくれない
  • あとになって条件を変えてくる(無料としながら作業費を請求するなど)

悪徳業者は上記の特徴を持っています。また、家庭から出たごみを運搬するにも産業廃棄物収集運搬の許可証が必要です。ホームページを運営している業者なら会社概要を見る、ない業者には最初の電話で尋ねてみるなど、依頼する前に優良か否か見定めましょう。

4.ガスボンベの処分による事故

最後の項では、ガスボンベの事故について解説します。どんな事故が、なぜ起きるのか、原因を追及していきましょう。

4-1.どんな事故が起こるか

処分の際に起きる事故は、「カセットガスボンベから漏れたガスに引火する」ということが最も多いです。たとえば、

  • 換気扇の下でカセットガスボンベのガス抜きをし、外に出たガスが給湯器で引火
  • キャンプ場の川岸でガス抜きをしていたら、風下のコンロに引火

といったケースが実際に起きました。上記のケースは換気に注意し、火の気がない場所を選んでいるにもかかわらず事故が起きたのです。果たして何が良くなかったのか、次項で解説します。

4-2.なぜ起きるのか

見慣れたカセットガスボンベですが、中に充填しているものが可燃性のガスだということをきちんと認識する必要があります。また、自治体で「穴をあけて捨ててください」という指示をし、ホームページでカセットガスボンベに穴をあける道具を掲載しているのも良くありません。確かに、ごみ収集車で爆発が起きてしまった場合、収集作業員の命にかかわり、収集作業も著しく遅れてしまいます。ごみ収集車も約1400万円するため、事前のガス抜きを徹底することは道理です。けれども、未使用であるカセットガスボンベの捨て方が明確にされていなかったり、自治体によって扱いが違ったりするのは感心できません。穴をあけるならば、せめて「ガスの残量が少ない場合に限り」などと安全を呼びかけるべきでしょう。爆発すると命にかかわるという危険性を、もっと大々的に呼びかける必要があります。

4-3.注意点

古いデータですが、2004年~2009年の5年間でカセットコンロによる事故は135件発生し、8人の方が命を落としています。

  • カセットガスボンベを正しくセットする(ガス漏れの危険があります)
  • 2台以上のガスコンロを並列して使わない(ボンベに熱が加わり、爆発します)
  • カセットコンロの五徳をひっくり返して使わない(なべ等の底でボンベが熱せられます)

上記のことは注意すべき事柄ですが、守らなかったばかりに事故は起きてしまいます。少なくとも、カセットガスボンベを熱しない、ガスの扱いに細心の注意を払う、といった2点には留意してください。処分のときも同様です。

5.ガスボンベの処分にかかわるよくある質問

この項ではインターネットを介して寄せられるお問い合わせ内容をまとめてみました。ガスボンベの扱いや処分についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q.カセットガスボンベのガスは体に有害?

A.著しく体に有害ということはありません。ただし、大量に吸い込んでしまうと酸素欠乏を起こす恐れがあるため、ガス抜きの際など、不用意にガスを吸わないよう風通しの良いところでおこなってください。

Q.カセットガスボンベの保管で気を付けるべきことはあるのでしょうか?

A.カセットガスボンベは、熱に触れると中のガスが膨張して爆発する危険があります。そのため、高温の車内や、直射日光の当たる場所での保管は避けてください。カセットコンロで事故が起こるのも、熱(火)を近付けすぎたことに起因するケースが多いのです。
また、古くてサビ付いたカセットガスボンベを見つけた際は、なるべく早く処分することを推奨します。ボンベの耐久度は確実に弱くなっており、何かの弾みで穴があき、ガス漏れを起こしかねません。

Q.捨てるとき、ごみ袋の封を閉めても問題ないですか?

A.完全に閉ざさず、少し緩めに縛りましょう。また、ガス抜きをしたあとでも、カセットガスボンベのキャップは閉めずに収集所へ出してください。

Q.古いガスボンベが大量に出てきたのですが、どうしたらいいですか?

A.処分を検討されているのでしたら、一度弊社にご相談ください。弊社では不用品の回収だけでなく、粗大ごみや分別されていないごみの回収も承っております。
株式会社エコアース

6.まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。ガスボンベの処分について駆け足で述べてきましたが、知りたい情報は得られたでしょうか?
現在、震災を経験してからガスボンベを購入する方が増えました。不測の事態に備えているわけです。発電機・ランタン・カセットコンロなど、さまざまな方面でガスボンベは活躍できます。ですが、便利な反面扱いに気を付けないと、取り返しの付かない事故が起こる可能性もあるのです。自宅にガスコンロをストックされている方は、保管方法やボンベの状態を定期的に確認してください。異変を見つけたときは、「もったいない」と処分をためらわず、新しいものに交換しましょう。取っておいても、いざ必要となったとき、正常に機能するかわかりません。記事の情報を参考にし、適切な捨て方でガスボンベを処分しましょう。